NARUHODO GUIDE 01 — FIT BASICS

FITとは?
なぜ、この制度が必要だったのか。

FITを「太陽光の売電制度」とだけ覚えると、卒FIT後の判断が見えにくくなります。 FITが何を支え、家庭の中で電気がどの順序で使われ、 10年後に何が変わるのか。最初から一つずつ整理します。

公開・更新:2026年7月19日 編集:FIT Solution 編集・分析方針
CHAPTER 01

FITは、設備を買う人が将来を見通せるようにした制度。

太陽光発電は、設置したその日から燃料を買わずに電気をつくれます。 しかし、導入時にはパネル、パワーコンディショナ、架台、配線、施工などの費用が必要です。 将来、余った電気をいくらで売れるのかがまったく読めなければ、 多くの家庭や事業者は導入を決断しにくくなります。

FIT(固定価格買取制度)は、再生可能エネルギーで発電した電気を、 国が定める条件に基づき、一定価格・一定期間で買い取る仕組みです。 将来の売電収入をある程度見通せる状態をつくり、 再生可能エネルギーの導入を社会全体で後押ししました。

EXPERT LENS FITが保証したのは、設備の寿命ではなく「買取条件」です。

ここを区別すると、「10年が終わったら太陽光も終わる」という誤解がなくなります。

CHAPTER 02

住宅用太陽光の電気は、まず家の中で使われる。

10kW未満の一般的な住宅用太陽光では、発電した電気がすべて売られるわけではありません。 発電中に冷蔵庫、照明、エアコンなどが動いていれば、 その電気は先に家庭内で使われます。使い切れずに余った分が、売電へ回ります。

1太陽光で発電直流の電気をつくる
2家庭で自家消費同じ時間に動く家電へ
3余剰分を売電使わなかった電気だけ

つまり、同じ発電量の家でも、昼間に人がいる家庭と、昼間は留守の家庭では、 売電量が違います。FIT期間中からすでに、 家庭の暮らし方が「売る電気」と「自分で使う電気」を分けていたのです。

CHAPTER 03

「10年間」は、太陽光設備の使用期限ではない。

住宅用太陽光でよく聞く10年間は、固定価格での買取期間です。 10年が経過した瞬間にパネルが止まったり、 家庭で太陽光の電気を使えなくなったりするわけではありません。

買取期間が終わっても、設備が正常に動いていれば発電は続きます。 変わるのは、余った電気を誰に、どの条件で売るのか。 そして、売るより自宅で使うほうがよいのかを、 家庭ごとに考える必要が生まれることです。

終わるもの固定価格で買い取られる期間
終わらないもの正常な設備による発電と自家消費
新しく必要になるもの売電・自家消費・設備更新の比較
CHAPTER 04

FIT期間中は、売電単価が判断を簡単にしていた。

固定価格で買い取られている間は、余剰電力を売るという行動に、 比較的わかりやすい基準がありました。ところが期間満了後は、 新しい売電条件、購入している電気の料金、昼夜の使用量、 蓄電設備の費用、既存パワコンの状態などを一緒に見る必要があります。

ここで大切なのは、「売電単価が下がるから蓄電池」という短い結論に飛ばないことです。 自家消費を増やす価値は家庭ごとに異なり、 蓄電池の価格や容量、工事、使用年数まで含めると、答えは一つではありません。

FIT SOLUTION VIEW 制度が終わると、商品選びより先に比較の物差しが必要になります。

だからFIT Solutionは、現状維持を含む複数の道を並べます。

MY HOME CHECK

まず、自宅のFITを確認する三つの資料。

01

売電契約・案内書

買取開始時期、契約先、買取条件を確認します。

02

検針票・Web明細

売電量、入金、契約名義などの手がかりになります。

03

期間満了の通知

満了時期と、必要な手続きが記載されています。

OFFICIAL & TECHNICAL SOURCES

説明の基礎にした資料。

  • 資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 制度の概要」
  • 資源エネルギー庁「買取価格・期間等」
  • 資源エネルギー庁「住宅用太陽光発電にせまるFIT買取期間の満了」

NEXT NARUHODO

FITがわかると、卒FITは「終了」ではなく「選び直し」だと見えてくる。

次は、固定価格での買取が終わった後に、 何をそのまま使え、何を選び直す必要があるのかを整理します。

なるほど。卒FITを理解する →